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わくわくブログ

徳島市のひろこ漢方内科クリニックは東洋医学と西洋医学のいいところをいかした、元気になる楽しいクリニックです。院長の高橋浩子が漢方あれこれやクリニックの日々を紹介します。
熟睡感がない・・・酸棗仁湯
  年と共に睡眠の満足度はおちてきます。10代のときにはどこでもいつでもすっと眠れて朝まで熟睡できたもので、それがどれだけありがたいことかなんて考えもしませんでした。中年をすぎると眠りは浅く、夢ばかり見て、いったい自分が寝ているのか起きているのかよくわからないまま朝がくる、という具合です。

そんなときには酸棗仁湯という漢方薬を補助的につかいます。

酸棗仁湯には、血を補って精神安定作用のある酸棗仁がたくさんはいっています。酸棗仁はサネブトナツメの種です。酸棗仁の精神安定作用を茯苓で補助し、知母で頭を冷やし鎮静し、川芎で血の巡りを良くします。寝付きが悪い、というよりも、寝付けるが眠りが浅く、熟睡感のないものによくつかいます。眠りが浅く夢ばかり見て夜中に目が覚める。目が覚めるとあとが眠れない。こんなときに1袋。あるいは、睡眠導入剤をつかっていったん寝付いても2〜3時間で目が覚めてしまってあと眠れないようなときに、酸棗仁湯1袋、というつかいかたもできます。西洋薬の睡眠導入剤や安定剤とちがって、漢方薬は翌朝まで眠気をもちこしたりだるくなったりしないので、安心です。西洋薬の眠剤との併用もできます。

 眠剤を飲んでも漢方薬を飲んでもなかなか10代のころのようなすっぱりとした睡眠はもどってきません。それでもこのような漢方薬をじょうずにつかうことで毎日少しでも楽にたのしくすごせるようになると考えています。

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葛根湯
 かぜの引き始めに葛根湯をよくつかいますが、きかせるにはコツがあります。

葛根湯の適応になるのは、感染力の方が抵抗力より微妙に強く、邪を追い払うための発汗する力が発揮できずに閉じ込められたような状態です。悪寒、発熱、汗が出ない、頭痛や項部のこわばりなどの症状がでるときに使います。麻黄湯の適応となるものより感染力がやや弱く、抵抗力もやや弱い者が適応です。身体の消耗があって、陰液がたりないため項背部の筋肉のこわばりが出ると考えます。



 生薬構成は、桂枝湯に麻黄・葛根を加え、桂皮・芍薬を減量したものに相当します。麻黄・桂皮は強い発汗・解熱に働きます。葛根も強い解熱作用と軽い発汗作用があり、滋潤作用で筋肉を潤し項背部の筋緊張を緩和します。(葛湯くずゆの働きです

かぜのひきはじめ、ぞくぞく寒気がして頭痛したり背中がこわばるようなとき、葛根湯はお湯にとかして熱いのをふ〜ふ〜しながら飲みます。いっしょにうどんのおしるとか粥を食べてもいいです。のんだらしっとり汗をかくまで布団にくるまりましょう。



 麻黄湯に発汗過多の弊害があり、桂枝湯は発汗作用が足りずあまり効かないことから、両者の中間的な効果の葛根湯が適応になることが多いです。肩こりや寝違い、五十肩にもよく使います。かたこりや頭痛で飲むときには、とん服で飲みます。常備しておくと何かと便利な漢方薬です。




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てごわい咳!〜麦門冬湯〜
 内科の町医者をやっておりまして、日頃の診療で一番苦労しているのが、急性、慢性を問わず咳・痰の治療です。咳、痰はしんどいですから、初診で、できれば一発で治したい。しかし、これぞ、と思って投薬して、34日後、「全然咳がよくならん」と言われたときには、ちょっと焦ります。そういうとき漢方薬をうまくつかえると苦労が減ります。
 寒くなって空気が乾燥し、暖房の時期に増えるのが乾燥した咳です。また、最近増えているのが、3週間以上続くような「遷延性の咳」や8週間以上続くような「慢性の咳」の患者さんです。診断は咳喘息やアトピー咳のことが多いです。3週間以上続く咳は乾燥した咳になることが多いです。
このようなときに重宝するのが「麦門冬湯」です。
麦門冬湯は、気道や皮膚を潤す麦門冬と、胃薬的生薬の人参、粳米、大棗などから構成された漢方薬です。(麦門冬は皮膚も潤すので、麦門冬が入っている方剤をつかっていると、皮膚にも潤いが出てきます)麦門冬湯には水はけをよくする、乾かす半夏が入っていますが、麦門冬湯の中の半夏は、麦門冬の潤わせすぎを抑制し、胃腸の蠕動を整え悪心嘔吐を止め、鎮咳させる、という役割を果たしています。
痰が少量で切れにくいうえに、体内も潤いがなく痰が切れずに喀出できないから顔が真っ赤になるくらい咳き込む。秋や春の空気が乾燥する時期や、暖房で乾燥して喉がいがいがして咳が出る。体に水分が足りずに気道粘膜が乾燥し軽度の刺激でも咳込み発作が起こるようなときに使います。

麦門冬湯の適応

・白色痰で粘膜に付着して切れにくい場合

・痰が出ないで、発作的に咳き込む(顔が真っ赤になってゲーゲーなるくらい)

・食べ物が喉に詰まってこまる老人

外部環境で乾燥した咳が出るような時は、春や秋の乾燥の季節や、暖房の季節に、予防的に内服します。麦門冬湯には皮膚を潤わせる作用もありますので、ガサガサした皮膚やアトピー性皮膚炎の冬場の治療にもよく使います。


1袋を100ccくらいのお湯で溶かして飲み頃の温度になるまで3分ほどおいてから飲むと効果的です。





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暑い季節の漢方薬〜清暑益気湯〜
 このあいだまでヒーターが手放せなかったのに、昨日から暑いです。今年も猛暑でしょうか。去年は暑さで体調を崩した人がとても多かったです。今年は万全の態勢で暑さの夏に臨みたいものです。
清暑益気湯は夏に出番の多い漢方薬です。構成生薬として「黄耆・人参・麦門冬・朮・当帰・五味子・陳皮・黄柏・炙甘草」が入っています。麦門冬は滋養強壮作用で身体に必要な津液を補充するはたらきがあります。麦門冬はジャノヒゲの根っこで、ジャノヒゲはお庭によく植わっています。五味子はチョウセンゴミシの実で、韓国のおみやげとしても人気の生薬です。もれでる汗をとめて渇きを癒す働きがあります。黄耆・人参・朮・炙甘草には気を補い胃を守る働きがあります。黄柏には熱をさます働きがあります。
清暑益気湯は、元気のない「気虚」の人につかう補中益気湯の夏バージョンのような漢方薬だといえます。気を補って、身体を滋養し、熱をとります。
暑くなるとクーラーが入りますので、外は暑いが室内は寒い、寒暖差が冬より極端になり、冷え症の人にはある意味つらい時期です。冬場は、冷え症の人はとにかくあたためることを考えていればいいのですが、夏は温めるだけではのぼせてしまうし、熱をさます治療だけでは冷えてしまうし、実に悩ましい時期です。今年も元気でのりきりましょう!!
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開業して7ヶ月がすぎました
開業して明日で7ヶ月がたちます。おかげさまで、忙しい日は忙しく、暇な日は暇なりに実に楽しく診療しています。開業といっても「たかはし内科」の分院ですから、看護師さんや事務さんは、たかはし内科の人たちがローテーションで入っています。メンバー不変。院長の夫とも仲良く分業しています。

 開業して一番変わったのは、クリニックには医療器械がない。レントゲン・・ない。超音波・・ない。骨粗鬆症の検査・・・ない。24時間心電図・・・ない。禁煙治療・・・やってない。子供の予防接種で行政がらみのもの・・・やってない。(インフルエンザや肺炎球菌ワクチンや、自費の麻疹風疹ワクチンなどはやってますが。)胃カメラ・・・ない。特定健診・・やらない。本院の「たかはし内科」でできる検査はやらない、というまことにシンプルなクリニックにしたことです。必要な検査は、本院や、本院にないCTやMRIや他科の専門医の診察が必要な場合は、適切な病院に紹介してお願いしています。とはいえ、内科の開業医が、いまどきはCTやMRIも備えたフル装備開業が当たり前になっている昨今では、当院の設備の乏しさは、時代に逆行するやりかたでした。

 内科医ですから、これでいいのか・・・ちょっと不安もありました。心電図と検尿と血液検査しかできない。あとは、自分の腕のみ。ということで、今まで以上に五感をとぎすまし、一生懸命からだの診察をするようになりました。もちろん、東洋医学的な「脈診・舌診・腹診」もやりますが、それだけでは内科医としてはたりんですね。聴診器つかって必死で音を聞くし。皮膚をみたり、痛いところをさすったり。においをかぐとか。とにかく安易にできる検査がないので、診察が重要。検査なしで投薬だけでいけるものか、検査して治療方針を決めるべきか、内心、葛藤しながらの診察です。20数年前、内科医が患者さんの身体を触らずしてどうする、と内科医の診察の仕方をたたき込んでくれた指導医に感謝です。もちろん胃カメラが上手だとか、いい器械をそなえた病院だとか、そういうことも大事ですが、内科医なら「いかに切らずに治すか」「いかにムダな検査をしないで診断するか」「いかにムダな薬を使わずになおすか」「人間の自然に治る力を邪魔しないで治すか」「足し算ではなくて引き算の医療」というようなことを、昔、とても厳しく教わりました。いまになってそのありがたみをしみじみ感じています。日々、修練です。実にやりがいのある診療です。内科医の原点にもどったような毎日です。

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